キュレーション
惑星物質試料受入れ設備
PMSCF
惑星物質試料受入れ設備とは
JAXA宇宙科学研究所 相模原キャンパスに設置された施設で、地球外試料キュレーションセンター(ESCuC)などの通称で呼ばれています。「はやぶさ」をはじめとするサンプルリターンミッションによる、地球外惑星からの帰還試料の受入れを主な目的として設立されました。一般に、博物館や美術館などで展示品の管理や展示を担当するスタッフはキュレーターと呼ばれます。惑星物質試料受入れ設備では、地球外物質を専門に取り扱うキュレーターが、「はやぶさ」や「はやぶさ2」試料の整理と維持管理、国内外研究者への分配業務を担っています。
経緯
2003年 | 惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ |
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2005年 | 「はやぶさ」が小惑星イトカワにタッチダウン |
2007年 | 惑星物質試料受入れ設備設立「はやぶさ」帰還試料を受入れるための施設として設置されました。 |
2010年 | 「はやぶさ」試料カプセル地球帰還当施設にて、試料カプセルを受入れ、試料容器から微小な試料の取り出しに成功しました。 試料は宇宙物質であることが確認され、普通コンドライト隕石と一致する特徴を示すことが分かりました。 |
2011年 | イトカワ試料の提供「はやぶさ」プロジェクトの一環として、当施設で整理された試料を初期分析チームに提供しました。初期分析により得られた知見は、小惑星表層での物質進化過程や宇宙風化現象、母天体(微惑星)の理解に大きく貢献しています。「はやぶさ」の国際協力協定により、NASAにも試料を分配しています。 |
2013年 | イトカワ試料の国際研究公募開始現在も公募研究を受け付けています。また、各研究から得られた知見の情報共有の場として、「はやぶさ」国際シンポジウムを毎年開催しています。 |
2015年 | 宇宙科学研究所地球外物質研究グループ発足当グループが、惑星物質試料受入れ設備を運用しています。 |
2020年 | 「はやぶさ2」試料カプセル地球帰還 |
活動試料取扱い
- 試料の汚染や破壊を最小限に留める取扱いをします。
- 試料を簡易分析、分類してカタログ化します。
- 試料を世界の研究機関や研究者に分配します。
設備管理
- クリーンルーム、クリーンチェンバーの維持管理を行います。
- 分析装置の維持管理や更新を行います。
技術開発
- 静電マニピュレータなど試料取扱い技術の開発を進めます。
- 試料保管用器やツール洗浄と洗浄手法の改善に努めます。
研究促進
- 国際公募研究(AO)によって世界の研究者に試料を提供します。
- 国際シンポジウムを開催し、研究者が情報共有できるコミュニティを提供します。
情報公開
- 試料カタログを各試料の詳細分析結果を公開します。
- 国際公募研究による成果まとめを公開します。
- 当センターに関連した物質分析研究の成果まとめを公開します。
外部連携
- 先端研究のための技術開発や分析研究のため、外部機関と連携します。
- 教育普及活動を推進します。国立科学博物館で粒子を展示中です。
利用案内
大学共同利用制度に基づき、当設備の利用が可能です。
大学院生や研修生の受入れも行っています。
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