地球外物質研究グループ|宇宙科学研究所

【研究成果】 ベヌーサンプルはリュウグウサンプルによく似た姿

B型小惑星より帰還した岩石試料ベヌーサンプルは、リュウグウサンプルと並ぶ新たな小惑星帰還試料として注目されています。既に様々な研究から、ベヌーサンプルは微惑星の形成過程・進化過程・太陽系における有機物の進化過程において重要な意味をもつと考えられています。

JAXAキュレーションでは、NASAからJAXAに届けられた660 mgのサンプルを大気に触れさせずチャンバー内で管理しています。試料表面のもつ主に光学的特徴を知るため、チャンバー内にあるベヌーサンプルを様々な手法によって測定しました。結果は、他の研究室で測定されたデータと非常によく一致しており、JAXAに届けられたサンプルは代表的であることがわかりました。さらに、リュウグウサンプルとベヌーサンプルの光学的な特徴は、とてもよく一致していました。

リュウグウとベヌーのサンプルはよく似ていながら、一部の化学組成・鉱物学的特徴に違いが見られています。太陽系が形成した頃どんな現象が起きて違いが作られたのか、これからの研究で解き明かされるでしょう。JAXAキュレーションによる汚染・変質・試料量によるバイアスのない基礎データは、この先の研究を支える土台となるでしょう。 

(図)JAXAがNASAから受け入れたベヌー試料(約660 mg)の実体顕微鏡画像。
地球外物質研究グループ
深井 稜汰 特任助教

<論文著者からひとこと>
これからたくさんの研究者の手に渡るベヌーサンプルの基礎データを、お届けできることを嬉しく思います。これからは、1粒子ごとに着目したより詳しいデータベースへと更新していきますので、楽しみにしていてください。

発表論文

掲載誌: Meteoritics and Planetary Science
タイトル: Nondestructive analysis of Bennu samples toward comparative studies with Ryugu samples
著者: Fukai, R. et al.
DOI: doi.org/10.1111/maps.70077
URL: https://doi.org/10.1111/maps.70077
論文公開日: 2025年11月25日

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