地球外物質研究グループ|宇宙科学研究所

地球外物質研究グループがJAXA理事長賞を受賞しました

地球外物質研究グループ(Astromaterials Science Research Group, ASRG)は、「世界初の小惑星リターンサンプル受入と、継続的な科学成果の創出への貢献」が高く評価され、このたび JAXA理事長賞(フロンティア分野)を受賞しました。

本受賞は、「はやぶさ」「はやぶさ2」をはじめとする小惑星探査ミッションにおいて、帰還試料の受入・保管・初期記載・カタログ化・配分に至る一連のキュレーション活動を世界に先駆けて確立し、その後も長期にわたり国際的な研究コミュニティへ安定的に試料を提供し続けてきた点が評価されたものです。

「はやぶさ」ミッションでは、直径0.1 mm前後の微小粒子を対象とした静電制御下でのハンドリング技術を確立し、1100個を超える粒子の初期記載・カタログ化を実施しました。続く「はやぶさ2」ミッションでは、総量約5.4 gに及ぶリュウグウ試料の大部分を記載・公開し、これまでに複数回の国際公募研究を通じて試料配分を行い、多数の科学成果創出に貢献してきました。

さらに近年では、NASAのOSIRIS-RExミッションによって帰還した小惑星Bennu(ベンヌ)試料の一部を受領し、「はやぶさ2」試料と同等の基準で初期記載・カタログ化を実施するなど、国際連携によるリターンサンプルキュレーションの中核拠点としての役割を担っています。

これらの取り組みは、単発のミッション対応にとどまらず、将来のMMX(火星衛星探査計画)やアルテミス計画、次世代サンプルリターンミッションを見据えた持続的かつ発展的なキュレーション基盤の構築につながるものです。 地球外物質研究グループは、今後も帰還試料の科学的価値を最大化し、国際的な研究成果の創出と次世代ミッションへの貢献を目指して活動を続けていきます。

写真左から、JAXA山川理事、安部地球外物質研究グループ准教授
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